煌きの世界 源氏物語展

大久保重美 源氏物語

『源氏物語』は平安時代中期に紫式部によって書かれた世界最古の長編小説で、恋愛や政治、家族の絆など、多様なテーマを通じて人間の本質を描いた作品であり、その魅力に惹かれ私がライフワークにしているテーマでもあります。 その王朝文化の雅の世界を絵付け、ヒュージング、ダル・ド・ベール、サンドブラスト、キャスティング、モザイクなど様々な高度な技法を取り入れた作品を大久保重美とStudio Glass GEMの生徒がそれぞれに描いたイメージで制作し、2007年茨城県天心記念五浦美術舘において『源氏物語展』を開催することが出来ました。

第1帖 桐壺
「桐壺」は主人公の光源氏が生まれる話で、光源氏の母親である桐壺の更衣は、帝(天皇)からとても愛されていましたが、他の妃たちから嫉妬され苦しみます。彼女は若くして亡くなり光源氏は母親を失った悲しみを抱えながら成長します。

第5帖 若紫
「若紫」は光源氏が若紫という少女と出会う話です。光源氏はある日寺で美しい少女を見かけ、その純真さと美しさに心を奪われます。この少女が後に彼の養女となり紫の上と呼ばれるようになります。

第14帖 澪漂(みおつくし)
「澪漂」は光源氏が須磨に流される話です。光源氏は政治的な陰謀に巻き込まれ都を離れて須磨に住むことになります。須磨での生活は厳しいものですが光源氏は自然の美しさや静けさの中で心を癒やされ、また彼の周囲には新たな人々との出会いもあります。

第18帖 松風
「松風」は光源氏が須磨から明石に移る話で、光源氏は須磨での生活を終え明石の君という女性と出会います。彼女は光源氏にとって特別な存在となり二人の間には娘が生まれます。

第25帖 蛍
「蛍」は光源氏が蛍を使って恋の手紙を届ける話で、蛍の光を利用して恋心を伝えようとします。 このエピソードは光源氏のロマンチックな一面や彼の恋愛に対する情熱が描かれています。

第26帖 常夏
「常夏」は光源氏が夕顔の娘である玉鬘を見つけ出し彼女を保護する話です。玉鬘は美しく光源氏は彼女を自分の娘のように大切に育てます。

第27帖 篝火(かがりび)
「篝火」は光源氏が玉鬘に対する思いを深める話です。光源氏は玉鬘の美しさと魅力に心を奪われ彼女に対する感情がますます強くなります。

第39帖 夕霧
「夕霧」は光源氏の息子である夕霧が中心となる話で、父親の光源氏と同じように多くの女性と関わりを持ちますが、特に雲居の雁との関係が描かれており、彼が父親の影響を受けながらも独自の道を歩む姿が見られます。

第41帖 幻
「幻」は光源氏が紫の上の死を悲しむ話で、紫の上は光源氏の最愛の女性であり彼女の死は彼にとって大きな打撃となり深い悲しみや孤独が描かれています。

第42帖 匂宮(におうのみや)
「匂宮」は薫が亡き母の面影を追い求めつつ、道ならぬ恋に悩む様子が描かれます。薫は、親友の匂宮と共に、それぞれの恋愛模様や宮廷生活の中での葛藤を通じて成長していきます。

第49帖 宿木(やどりぎ)
「宿木」は薫と浮舟の関係が中心となる話で、薫は光源氏の息子であり浮舟に対して抱く複雑な感情や浮舟の心の揺れ動きが描かれています。

第52帖 蜻蛉(かげろう)
「蜻蛉」は薫と浮舟の関係がさらに深まる話で、薫は浮舟に対して強い感情を抱いており彼女との関係を進展させようとします。しかし浮舟は薫と匂宮の間で心が揺れ動き複雑な感情を抱えています。

会場風景

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